前回からの続きです。
今回は、子供の哲学を調べていて見つけたフランスのドキュメンタリー映画をご紹介します。
フランスのドキュメンタリー映画 「ちいさな哲学者たち」
1960年代に初めて発表されたコロンビア大学教授マシュー・リップマンによる“こどものための哲学” という研究をもとに、パリ近郊の幼稚園で哲学の授業を設けるという世界的に見ても画期的な取り組みが行われました。
3歳から2年間、哲学の授業を受けた子供たちはどのような成長を見せるのか。
その様子を集約したドキュメンタリー映画です。
月に数回、ろうそくに火を灯し、子どもたちを集める。みんなで輪になって座り、子どもたちは生き生きと、屈託なく、時におかしく、そして時に残酷な発言をもって色々なテーマについて考える。
子供が元々持っている“考える力”を話しあう事でさらに高め、その後の認知力と学習力、そして生きる知恵へとつながってゆく。
この幼稚園があるのはZEPと呼ばれる教育優先地区です。
ZEPって、日本の文教地区のようなものかと思ったら、まるで違いました。
日本の文教地区は、教育施設が多く集まっている地区の呼称です。 教育熱心なご家庭が多く住んでいるイメージ。
フランスのZEPは、親の失業率が高く、生活保護を受けている世帯が多い経済社会的に恵まれない地域が指定されるそうです。教育格差をなくす目的で、優先的に予算をつけたり教員をまわすのだとか。
ZEP地区は荒れて治安の悪いところが多いらしいのですが、映画ではよく分かりませんでした。
私が鈍いのでしょうか。
( ̄◇ ̄;)
子供達も先生も、小綺麗でしっかりお洒落して見えましたし、、。
先生はいつもヒールの靴を履いていましたしね (フランスの幼稚園は外遊びは見守るのみで、先生が一緒に遊んだりしないようです)。
ZEP (教育優先地区) が舞台の映画といえば、「パリ20区 僕たちのクラス」がそうらしいです。
こちらは、なるほど〜と思う映画です。移民問題が色濃く反映された内容となっています。
そういえば「ちいさな哲学者たち」でも移民問題が取り上げられていました。
そんな学業困難地域の幼稚園の子供達。
一生懸命考えたり話したり、授業中うたた寝しちゃう子がいたり、
子供たちの様子が可愛くて( *´艸`)
観ていて微笑ましい気持ちになる映画でした。
うちの息子達にもこんな時期があったな〜なんて、思わず遠い日の我が子を重ねていたり…。
長男や次男がこの授業に参加していたら、どんなことを言ったかな〜とか、
まさに親目線になっている私。
映画の中で親たちがどう子供と関わっているのか、親子の会話も興味深かったです。
子供って全く関係ないような事を言い出したと思っても、頭の中でしっかり繋がっているのですよね。
大人が思いもよらないような深い事を分かっていたり、考えていたり、全く思いもよらない方向から物事を見ていたり。
他人に遠慮のない意見をズバズバ言えるのも子供ならでは。
後半は意見の食い違いで口論になる場面があったり、子供の成長の早さを感じさせます。
とはいえ、淡々と子供達の様子が流れるドキュメンタリーなので、
興味のない方には退屈かもしれません。
( ̄▽ ̄;)
私は興味津々の内容だったので、とても面白く鑑賞しました。
子供が小さいうちから自分で考えて、いろんな見方を知る、こんな授業をしてくれる幼稚園があったら素敵だなと思います。
そして、フランスでは幼稚園で「授業」が行われるのも興味深いです。
フランスの幼稚園は義務教育で、幼稚園の先生は小学校教諭と同じ資格が必要なのだそうです。
国が定めたカリキュラムに沿って授業を行うので、この哲学の授業も国からの指導で実現した試みなのですね。
そういった教育環境の違いも感じさせる映画でありました。
U-NEXTで視聴可能です。
Amazonプライムでも有料ですが視聴できます。
日本でも、小学校で「哲学」の授業をする学校が増えてきているそうです。
主に道徳の授業で哲学を取り入れる学校が多いみたいです。
確かに、道徳と哲学って似ている気がします。
子供達の小学校でも取り入れてくれないかしら。
( ̄▽ ̄*)
次男の「なんで?」攻撃のおかげで、哲学について興味が湧いてきました。
先日購入したこちら、
「10歳の君に贈る、心を強くする26の言葉」
早速長男がハマって読んでいます。
次男には解説がまだ難しそうですが、文字が大きいところだけ面白がって読んでいます。
子供向けで分かりやすく、イラストが大きく入っているのが良いですね。
私も一緒に勉強しています。
是非とも思考力と対話力に結びついていって欲しいなぁ。