子供の英語音読を習慣としていて、何気に困るのが本選びです。
長男は無事に『Harry potter』を読むことに決まったのですが、そこに行き着くまでが大変でした。
本棚にある「グレーデッド・リーダー(GR)」を全部引っ張り出して、アレでもないコレでもないと本探し。
我が家の本棚には、およそ300冊の「GR」が並んでいます。
「GR」って薄いペーパーバックなので、背表紙だと本の題名が見にくく、本を探し難いのですよね。
長男と一緒に1冊づつ表紙を見ながら、
「これは推理ものだから好きそうだよ」
とか
「有名な文学作品だから読んどけば?」
とか
「偉人ものはどう?」
とせっせと案内役よろしく作品を紹介していく私。
その中で
「これは!」
と思い、長男に猛プッシュした本があります。
「Brat Farrar」
ペーパーバック – 2007/12/27
19世紀イギリスの女流推理小説家、ジョセフィン・テイが書いた『Brat Farrar』です。
「Oxford bookworms」のStage 5 。英検準1級レベルですが、使っている語彙の印象のためか、そこまで難しくない感じがします。
こちらが原書。
「あんた、あいつに瓜二つだ」飲んだくれの役者ロディングがロンドンの街頭で出逢った孤児のファラー。彼はロディングが彼の親戚アシュビー家の行方不明の長男パトリックと間違えたほど、そっくりだった。金に困っていたロディングは、彼を説得して家督相続者である行方不明の兄が戻ってきたという触れ込みで、アシュビー家に彼を送り込んだが...。意外性とサスペンスに満ちたミステリ・ロマン。
この本、我が家の本棚には原書とGR版、両方置いてあります。
長男は私の猛プッシュに押されて原書の第1章まで読んだのですが、敢えなく挫折。
( ̄▽ ̄;)
「GR」にすれば?と言ったのですが、どうせ読むなら原書に挑戦してみると…。さすがに難しかったようです。
19世紀に書かれたものだけに、言い回しとか言葉使いが古くて読み難いのもあります。
「読んでいて情景が入ってこない、難しい。やめとく」
と言われてしまいました。
1章読んで話に興味が湧かなかったようなので仕方ない。
『Brat Farrar』は、日本語翻訳版も出版されています。
邦題は『魔性の馬』。
私には原書は難しすぎるので、日本語翻訳版を読んだ後にGR版に挑戦しました。
古典と言われる作品ですが意外と読みやすく、ミステリとしてもなかなかの面白さです。
実はこの本、全く内容を知らずに買った本だったりします( ̄▽ ̄;)
完全に表紙買いした本です。
私が持っているのはこの表紙。
左が原書、右がGR
本を表紙買いすることが多い私にとって、本の装丁って大事。
この『Brat Farrar』のように、
「GRになっているのだから、きっと有名作品で面白いだろう。表紙が好みだから読んでみよう」
という、安易な考えで内容も知らずに買った本が何冊もあります。
そのお陰で知らなかった海外の名作に出会うことができたので、それも英語育児の醍醐味かも。
イギリスの古典恋愛小説ジェイン・オースティン
知らない作品だったものの、気になって日本語翻訳版を読んでみたり、その後にGR版に挑戦するぐらいハマった『Brat Farrar』。
私、こういうイギリスの階級社会とか貴族とか相続争いが絡む話が大好きなのです!
海外ドラマ「ダウントン・アビー」にも、もちろんどハマりしました。
金持ちの貴族社会だけではなく、そこで働く使用人たちの人間模様が描かれているのが興味深くて面白い。
同じようにイギリスの階級社会を描いた「ゴスフォード・パーク」も良いですね。こちらはミステリものです。
当時のイギリスは法律によって、最近縁の男系(父系)男子1人のみに爵位と財産の全てを相続させると定められていたため、結婚が女性にとっての一大事。
その人間関係やら、恋の駆け引きやらが楽しくてグイグイ引き込まれます。
そんな私はジェイン・オースティンも大好きです。
初めてのオースティン作品は『高慢と偏見』でした。
「高慢と偏見」
『高慢と偏見』は複数の映画化、ドラマ化がありますが、一番好きなのはBBCドラマ版!
原作に一番忠実で、なんといっても若かりし頃のコリン・ファースがステキ!
Amazonプライムで視聴できます。
本も、日本語新訳版だと読みやすいです。
「高慢と偏見」
ところどころ挿絵があり、当時の雰囲気が垣間見れます。
私が 『高慢と偏見』に興味を持ったきっかけは、
『ブリジット・ジョーンズの日記』でした。
私はこの映画が大好きで原作も読んだのですが、ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』がベースとなっていると知って本家を知りたくなったのです。
登場人物の「ダーシー」が『高慢と偏見』とリンクしているのですよね( *´艸`)
恋愛コメディなので、イギリスの古典文学とは違った面白さです。
こちらはNetflixで観られます。
『高慢と偏見』を知ってからは、 立て続けにジェイン・オースティンの作品を観て、読んで、どっぷりとハマってしまったのでした。
『高慢と偏見』と並んで好きな作品が『エマ』です。
「私のほかには誰も好きになれそうにない女主人公」と作者自身が評しているそうですが、若さゆえの自意識過剰さと世間知らずなお嬢様といった可愛らしくて憎めない魅力があるエマ、私は結構好きですよ。
最初にBBCのドラマ版を観たからかもしれません。
「エマ」
階級主義で嫌味な主人公を、ロモーラ・ガライがチャーミングに演じています。
喜劇っぽいドタバタさもあって楽しい恋愛ドラマ。
こちらもAmazonプライムで視聴出来ます。
グウィネス・パルトロー演じる映画版のエマも可愛い♡
小説だとエマの嫌味さがより感じられるかも。
関連する映画など
ジェイン・オースティンの作品を読んだら、関連した映画を観るのも楽しいです。
「ジェイン・オースティンの読書会」
オースティンの作品6冊を読んで、月に一度読書会を行う6人の話。それぞれの人生模様が反映されながら読書会が展開していきます。
Netflixオリジナルのドラマ「ブリジャートン家」も、オースティン好きならオススメです。
まさにオースティンの作品と同時代のロンドン社交界が舞台。
都会の社交界ということもあってか、とにかく衣装がオシャレで素敵。
原作者は「現代のジェイン・オースティン」と言われているだけあって、オースティン風味溢れる内容です。
Netflixでしか視聴出来ませんが、豪華な舞台と衣装で繰り広げられるメロドラマ、お好きな方は是非♪
長男の本探しに付き合ったおかげで、また『Brat Farrar』を読み返し、続けてジェイン・オースティンを読み耽ってしまいました。
200年以上も前に書かれた作品なのに、登場人物は生き生きとして何だか身近に感じられる不思議さがあります。
イギリス古典文学、というと堅苦しくて難しい感じですが、中身はまさに「少女漫画」なのですよね。
いつの時代も恋愛模様にワクワクする女心は一緒なのだなぁと思わせる作品ばかりです。
読書三昧の夏休み。
ステイホームだからこその過ごし方も、たまには良いかもと思います。
♪( ´▽`)
コロナは早く落ち着いて欲しいですけどね…